Marrakech から Essaouira へ

マラケシュに滞在中、少し気になったエッサウィラという地方の街に訪れることに。モロッコの芸術家が集まるという場所。
まずは移動に使ったバスからの車窓風景。異境の風景というのは何を見ても新鮮。

朝一でリャドを後にし、ドゥカラ門近くの長距離バスターミナルへ。ターミナルは各地へ移動する予定のモロッコ人でにぎわっている。 比較的きれいで何より時間に正確な国営バスは昨日の時点ですでに満席。民営バスは昨日は予約ができず、 当日チケットを入手するという少し行き当たりバッタリな算段。
民営バスを探そうとすると、旅行者を目ざとく見つけたチケット売りのおじさんがやってくる。 少し警戒したが、「エッサウィラ?」と行先(しかも比較的マイナーな)をずばり当てたので、これも縁かなと思い案内されるままチケットを購入することに。 おそらくモロッコ人よりも高めの金額だがそれでも国営バスよりも安い。
おじさんがやけに急いでいるなと思ったら、あと1,2分でバスが出るところだったらしい。荷物をもってあわててバスに。 車内に持ち込めない大きな荷物をトランクに預けるとチップを要求されるが、高い気がするので半額にしっかりと値切ってから乗り込む。 言葉は通じなくても何故か値切り交渉はできるものだ。

いよいよ出発。朝日がまぶしい。
メディナの外の新市街の幹線道路は驚くほど幅が広い。車線などなく、朝夕の混雑時はカオス。メディナの外の建物はほとんどが鉄筋コンクリート造 + 煉瓦造。4,5 階建てはざら。外壁はほとんどはマラケシュカラーの赤色に塗られている。

工事中の建物。鉄筋コンクリート造の型枠を支えているのは木の柱。しかも製材されたものではなく、曲った樹形そのままの材。 それらが並ぶ風景はそれだけでもデザインに見えてくる。

5分ほど走ると庶民の生活エリアに。少し建物が低くなる。道沿いに長屋形式の店舗兼住宅が並ぶ。所々でバスが停車しどんどんと人を乗せてくる。おかげでなかなか市内を抜けられない。これは目的地に着くには時間がかかりそうだ。それでも席がなくなると乗車を断っている。そのあたりは決まりがあるらしい。

そんなこんなしていると市内を抜け荒涼とする大地をひたすら進み始める。対向2車線の道路を快調に飛ばし、遅い車は容赦なく抜き去り、逆に速い車には抜かれる。みな結構ぎりぎりで交わすので最初は冷や冷や。でも次第に気にならなくなる。 遠くにはアトラス山脈が。

乾いた大地にポツンと建つ家。高さの低い平屋の建物。日干し煉瓦でつくられているように見える。外壁は特に塗装や漆喰が施されておらず、大地からそのまま盛り上がったような印象。玄関にコカコーラのマークがあるので、お店兼住宅か。日影となった店前には、車を眺める少年

荒野を進んでいくと、ところどころにまとまった緑が。どうやら大規模な農場のようです。遠くにはところどころに大きな建物も見える。豪農?

少し小さい農家。(だだし建物は立派なので宿かもしれない)周囲に植えられているのはオリーブか。

小さい村が見えきた。
バスも停まり、地元の人が乗り降りしていく。

町はずれの家。やはり基本は平屋。

街道沿いに突如として現れる絨毯屋。

ほとんど緑のない地帯に入る。土の砂漠が遥かかなたまで続いていく。
遠くには頂上が平坦な山脈が見える。雨が少ないため地層が浸蝕されずに山の表情となっている。昔は海の底だったのだろうか。

そんな場所でも人は住んでいる。大地と一体化したような平べったい家。おそらく中庭や家畜を飼うスペースも内包しているためか、そこそこ大きい。よくみると地面の起伏に合わせて建物も少し歪んでいる。見学したい。
家周辺の大地にはうっすらと緑のが地面を覆っている。やはり少しでも水分を含んだ土地を選ぶように人は住むようだ。

山を越えエッサウィラへはあと一息といった地点。途中の村でバスはいったん停車。運転手も含めしばし休憩。
だいぶ建物の感じも変わってきた。外壁からはマラケシュカラーの赤が消えている。商店のアーケードが続く。

普通に道を通るロバ車。まだまだ荷物の運搬にはロバが利用されている。写真ではよくわからないが、店先に屋台がいろいろと出ておりバスのモロッコ人乗客は降りて何か食べ始めている。気づくとバスに残っているのは外国人観光客ばかり。どうしようかと迷っていると急にバスのエンジンがかかり、屋台に散っていたモロッコ人の乗客が戻ってくる。ほんの5分程度の停車。

バスターミナルならぬ、ロバターミナル。

出発。再び広大な大地の中を進み出す。途中すれ違った羊飼いの少年。少しずつ緑が増えてきている印象。

海に近付きつつあるようで、風景が変わってくる。どんどん緑が多くなり地中海性気候地域のような景観。

マラケシュから4時間強。ようやくエッサウィラに到着。