U House

所在地 :東京都新宿区
主要用途:住宅
竣工  :2010年9月
敷地面積:51.63u
建築面積:29.39u
延床面積:81.69u
規模  :地上3階
構造  :木造
構造設計:鈴木啓/A.S.A
照明設計:内藤真理子/コモレビデザイン
ファブリック:安東陽子
施工  :藪崎工務店
写真  :淺川 敏 

都内の住宅街に建つ若い夫婦と小さい子供のための住宅。

敷地は大小様々な建物が隙間なく密集する古い住宅地のさらに細道を入った奥にある。太陽の光を得る時間が限られる環境でありながら、南面と屋根面のすぐ近くに隣地のマンションのバルコニーがあるような敷地条件。
また、夫婦は共に定期的に夜のシフトがある職業に就かれており、例えば朝の光が必ずしも嬉しくない日もある。こういった条件からこの場所に特殊な光の状態と時間をつくりだすような建築が成り立たないかを考えた。

まず敷地の奥、南北方向にまるでもとからあった城壁のような大壁を建て、その脇に細長いスリットのような空隙を設けながら建物を配置した。建物本体の外壁を弓状に変形させていくことで空隙はより長い時間、光溜りとなるようにしている。大壁はフィクショナルな性格を助長させるように煉瓦を貼り白に塗りつぶしている。目地はあえて凹凸をつけ光をより粒子として捉えられるようにチューニングした。
空隙内で反射を繰り返した光は3層の住戸の各層に柔らかな間接光をもたらす。通常の時間軸上の日の光とともに、異なる時間軸の光がもうひとつあるような建築となっている。




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