マンションのファサードと共用廊下等の改修計画。
駅からは比較的近いが高速道路や大きな国道が付近にあるためどことなく人気の少なく、特に夜は少し歩きにくい雰囲気も感じる道路に面している建物。
単なる定期メンテナンスの範囲を超えた提案を求められた。
重視したのは光の在り方。
新築とは異なり建物の形態で光の調整が不可能ではあったが、素材感や照明の配置を換えていくことで変換を計った。
単純に明るくすると雰囲気が良くなるという訳ではなく、逆に闇が深まり明暗の差が一種の不安さを生む。
そこでまずは常に形状的に凹んだところ、奥に照明を配置し直すこととした。
例えば道路からみれば建物下の駐車場の奥やエントランス。共用廊下は全体的に照らしつつも、一番暗くなりやすい天井と壁のコーナー部にと。
道路側ファサードは窓が小さく、そのままでは夜に大きな暗い壁が浮き上がってしまうので、
外壁面から少し浮かすようにして、ほのかに光る低電力のLEDランプをライン上の散在させた。
外壁面はあらたに煉瓦タイルを貼り、少し目地を荒らすことで凹凸の質感を加え光をとらえやすくしている。